SCENE188 【睡眠と睡眠阻害要因】  体内時計が狂うと・・・ 

 おはようございます。今日も1日体調管理しながら、大事に過ごしましょうね。

◆時計が狂うと「糖尿病」になる   
 生活習慣病の一つとされる糖尿病。悪化すると失明や心筋梗塞脳梗塞などの合併症さえ引き起こす病であり、最近では認知症の遠因となることも解明されつつあります。国際的な総合科学ジャーナル「nature」(2010年7月29日号)は、この糖尿病の原因について、次のようなユニークな説を紹介しています。

 人は約24時間周期の「体内時計」をもっています。体内時計のリズムは、複数の「時計遺伝子」によって刻まれています。
アメリカ、ノースウェスタン大学のマルチェバ博士らは、体内時計が狂うと膵臓の中の部位である「膵島(すいとう)」の遺伝子の働きがおかしくなって、血糖値が異常に高くなり、「糖尿病」を発症することを示しました。

 「膵島」は、血糖値を低下させるホルモン「インスリン」などを分泌します。
時計遺伝子に変異をもつマウスを観察したところ、血糖値を一定に保つ能力に異常があり、インスリンの分泌能力や膵島のサイズが小さいことがわかりました。時計遺伝子に異常が生じてくることで、インスリンの分泌などにかかわる膵島の遺伝子も正しく働かなくなっていたのです。

 睡眠時間が短いと肥満のリスクが増大し、糖尿病を引き起こす可能性は以前から指摘されていました。「体内時計の状態を調べることで、不規則な仕事や食事などの生活リズムの乱れが糖尿病におよぼす影響を明らかにできるかもしれない」と博士らは考えています。