SCENE182 【睡眠知識】  ショートスリーパーの若者に「鬱」の危険 

睡眠5時間 若者に「鬱」の危険 2010.10.11
 睡眠不足は若者に深刻な精神障害を引き起こし、これが成年期まで長引く場合がある。オーストラリアのシドニー大学などによる研究で明らかになった。

 医学誌「スリープ」に発表された研究報告によると、睡眠時間が恒常的に5時間未満の若者は、8〜9時間睡眠の人に比べ精神障害を患う確率が3倍になる。

 シドニー大学心理学科の教授で、研究を率いたニック・グロズィアー氏によれば、今回の研究は睡眠と若者の精神障害との関連に注目した初めてのもので、問題が生涯にわたって続くことを避けるため早期の対応が必要であることを指摘している。同氏はまた、慢性的に精神の不調を繰り返す若者は、成人になって抑鬱(よくうつ)障害や躁鬱(そううつ)病などのより深刻な障害を発症し、生涯を通じてそうした症状が出る可能性を今回の研究は示唆している、と説明した。

 研究調査はシドニー大学とジョージ・インスティチュート・フォー・グローバル・ヘルス(シドニー)がオーストラリアのニューサウスウェールズ州の17〜24歳の若者約2万人を対象に1年半にわたって実施された。

 米国立睡眠財団(NSF)によると、10代の若者は1日少なくとも8時間半眠るのが望ましいが、平日これだけの睡眠をとっているのは15%にすぎないという。(ブルームバーグ Kanoko Matsuyama)

 ◆最近研究成果として発表されました。この3倍という数字は、かなりショッキングなものです。
ちなみに、長生きするための睡眠時間は、7時間ということが言われています。睡眠時間が長すぎるのも良くないのです。ただ、冬の時期は、日照時間との関係で、夏と比較すると、睡眠時間が長くなります。

 最後に、睡眠時間は6〜7時間とっても、日中眠気や、熟睡感がなく1日中だるい時は、睡眠の質に問題がありますので、睡眠専門施設に受診してください。